有料老人ホームや特養(特別養護老人ホーム)に入所理由は、家族による介護が難しい、介護につかれた、介護の限界、認知症により自宅での生活が困難になったなどが多いです。
特養はすぐ入れない、有料老人ホームはすぐ入れるという比較を耳にします。特養が人気の理由は介護施設費用が安いからで、施設にもよりますが有料老人ホームは入所時に数百万円の一時金がかかり、さらに毎月の費用が必要なので毎月平均介護にかかるお金は30万円を超えるケースが珍しくない高額です。
特養と有料老人ホームの違いは施設利用料の差が大きく、年金だけで入れる老人ホーム介護施設は数が限られています。そこで少しでも介護費用が安く抑えられるように特養入所申込が多いのが現状です。
もっと付け加えれば、年金だけで入れる老人ホームが無い、特養に入るお金が無い高齢者の一人暮らしの方が多く、特例入所措置比率が多い点も注目されています。
特養に入れない人は何万人いる?
特養に入所する条件は要介護3以上の方が対象ですが、特養は費用が安いため入所申込者数が多く、入所申込をしてるが調査段階では入所できておらず順番待ち、待機者25万人もいて特養に入れない人がたくさんいます。
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)
| 2022年(令和4)年度 | 2019年(平成31)年度 | 増減者数 | 増減比 | |
| 全体 | 25.3 | 29.2 | -3.9 | -13.5% |
| うち在宅の方 | 10.6 | 11.6 | -1.0 | -9.1% |
特別養護老人ホーム(地域密着型を含む。)の入所申込者(特別養護老人ホームに入所を申し込んでいるものの、調査時点で当該特別養護老人ホームに入所していない者)の2022(令和4)年4月1日時点における状況について、各都道府県が集計した結果を以下のとおり取りまとめましたので、公表します。
厚生労働省
特養入所者は女性が多い女性7割超
特別養護老人ホーム(特養)の利用者において、男性が女性より少ない理由は複数あります。厚生省の調査統計データ「参考表 老人保健施設の入(在)所者と特別養護老人ホームの入所者の比較」によると、老人保健施設の入所者性別は男性24.9%、女性75.1%、特別養護老人ホームの入所者性別は男性21.8%、女性78.2%で二種類の介護施設とも入所者の男女比は圧倒的に女性が多く全体の7割、男性は約3割です。
- 長寿度の差 日本の男性は女性より寿命が短いため、高齢者の中で男性の割合が減少します。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、要介護者の中で男性の割合は低く、女性が多い傾向があります
- 生活習慣と健康 男性は喫煙率が高く、アルコール摂取量も多い傾向があります。これにより、男性は生活習慣病や心血管疾患などの健康問題により要介護となるケースが増え、特養利用者の中で男性の割合が減少しています。
- 社会的要因 男性は家庭内での介護に不慣れなことが多く、介護の負担を女性が担うことが多いため、特養利用者の中で女性の割合が高いです。
これらの要因により、特別養護老人ホーム利用者は女性が多く男性が少ない傾向が報告されております。
特養に入れる条件は?
特別養護老人ホーム(通称「特養」)への入所には、要介護3以上の認定を受けた高齢者が対象です。以下は、特養に入れる要介護者の介護度合いの種類です。
- 要介護1・2:軽度の介護が必要な方々で、自立した日常生活が難しい場合に該当します。特養の入所対象外です。
- 要介護3:中度の介護が必要な方々で、食事や入浴、排泄などの日常生活の介助が必要です。特養への入所判定が可能です。
- 要介護4・5:重度の介護が必要な方々で、身体介助や医療的ケアが必要です。特養への入所が適しています。
特養は要介護3以上の高齢者が終身にわたって介護と生活援助サービスを受けられる施設であり、終の棲家としても認知されています。今では看取り介護まで高齢者の安心した生活をサポートしています。
原則、特養への新規入所者を要介護3以上の高齢者に限定
要介護1,2の方についても、やむを得ない事情により特養以外での生活が困難であると認められる場合には、市町村の適切な関与の下、特例的に入所することが可能。
待機者数と施設の空き状況
特別養護老人ホーム(特養)入所申込者数が多い為、待機者が多く特養入所までに時間がかかることがあります。特養に早く入りたい要介護者と家族の方向けに、新規オープンの施設を利用することや自宅から遠くても地域を広げて複数の施設に申し込むことも検討しましょう。
- 特養は「終の住処」として利用できるため待機者が多くなります。
- 新規オープンの施設は狙い目です。
- エリアを広げて複数の特養施設に申し込む。
特養に入れる人の健康状態
特別養護老人ホーム(特養)入所判定において、利用者の健康状態は重要な要因と考えられています。介護職員の業務が圧迫する健康状態の利用者が多いと全体的に安全見守りの質も低下するので特養に入れる人の健康状態についてのポイントです。
- 身体的健康:身体的な健康状態が特養入所の判断に影響します。日常生活の自立度や身体介助の必要度を評価します。
- 認知機能:認知機能の状態も考慮されます。認知症の進行度や記憶力、判断力などが特養入所の判定に影響します。
- 医療的ニーズ:医療的ケアが必要な方も特養に入所できます。病院での治療や薬の管理が必要な場合が該当します。
- 日常生活の自立度:食事、入浴、排泄などの日常生活の介助が必要な場合、特養の入所が検討されます。
家族の問題
- 家族の様子も面談時に見られていることを意識しておくべきです。
- 家族が介護施設に無理な要望が多いと留意しても難しい場合があります。
- 家族が特養老人ホームの運営に理解度が高いほうが望ましいです。
特養に入れない人から多い質問
- 要介護3でも特養に入れないのはなぜですか?
- 特別養護老人ホームはどんな人が入居できますか?
- 特養に早く入れる方法はありますか?空きがある特養を見つけたい
特別養護老人ホームへ入れない、入所申込をしたのに待機者が多く順番待ちがいつになるか予定がわからないという経験をしたことがあり介護専門相談員に尋ねたことがあります。
要介護者を持つ家族、他の利用者からも「どうすれば特養に入れるか?どうして特養に入れないのか?」という質問が多いそうです。すぐ入れる老人ホームを探すなら有料老人ホームも同時に検討する必要があります。
特養に入居できない理由トップ3
特養に入れない人の理由として待機者が多いこと以外に、特養入所判定で施設側が入居を避けたい入居者の条件があるようです。現在特別養護老人ホームで働いてるスタッフ、元特別養護老人ホームスタッフの話で特養に入居できない理由トップ3は以下の通り。
- 認知症の周辺症状
- 医療行為が多い
- 家族の理解があるかないか
本来は認知症の人、寝たきり介護が必要な人が特養に入れるはずですが、介護施設の実情として慢性的な人手不足になっている現場の状況から、特養入居判定の可否に影響が出ているようです。
施設入居条件に「家族の理解度・協力」が重要とみているので、特養に早く入るコツとして記事が役立つので読んでください。
特別養護老人ホームを利用している方・利用したい方 – 横浜市
2024/03/01 特別養護老人ホームは寝たきり又は認知症のために常に介護を必要とする人で、在宅で介護を受けることが難しい人のための入所施設です。
横浜市 特別養護老人ホーム入所申込みができる方 利用料について
認知症の周辺症状

特養で働いた経験者の体験談によると、特養に入居できない人の理由1つめは「認知症の周辺症状」に関したことが強く症状に表れていると介護職員の業務負担が大きくなるため、入所判定が否となる原因にあるようです。
あまり聞きなれない言葉ですが「周辺症状(BPSD)」とは認知症の中核症状から二次的に起こるものを意味しており、主な例は介護拒否、せん妄、幻覚・錯覚、徘徊、暴力・暴言、失禁・弄便(ろうべん)など他にも様々な症状があります。
特養に入居される方の条件として大前提に要介護3以上なので、「要介護3以上の方なので何かしらの認知症がある方がほとんどです。」という。その中でも「特に2点注意するポイント」を聞きました。
特養の職員人員配置でも安全に看ることができる方なのか?
介護施設の特養は特に夜間は昼間よりも人員員配置が少なくなりますので、夜間に昼夜逆転をしていて歩き回ってしまうような方や、頻繁にトイレに行かれその都度、職員の介助が必要な方などは入居が困難になる場合があります。
共同生活ができるかどうか?
2つめのポイントは頻繁に大声でとなられる方であったりとか、他人の部屋に入って暴力行為をしてしまう方だったり、他の入居者に迷惑をかける可能性が大きい方は入居が難しいです。
認知症の症状の中でも他の入居者に迷惑をかけるかどうかが、特養から嫌がられる入居者のポイントになってくるとお話しを伺えました。
医療行為
特養に入れない理由トップ3、「2つ目の医療行為」というところなんですが、ほとんどの特養では医師が常駐しておらず、また夜間は看護師がいません。
特養受入れが出来ない代表的な状態としては
・毎日の点滴が必要な方
・経鼻栄養の方
・夜間の痰の吸引が必要な方
経鼻栄養とは鼻から栄養を補給しているの方、特別養護老人ホーム側からすると、経鼻栄養の方は受入れが難しいですとのこと。
専門的な言葉になりますが
- 胃ろう
- ストマ
- バルーン
- 在宅酸素
上記の医療行為に関しては受け入れができることが多いのですが、「看護師の対応できる範囲で」受け入れ人数を制限することがあります。
インスリン注射に関しては内容によって受入れられる施設と受入れられない施設がございます。
ストマ看護、ストマケアについて ストマ(ストーマとも言う)とは、手術で大便や小便の出口を新しく人工的に作られたものを言う。ストマの種類は人工肛門(消化管ストーマ)、人口膀胱(尿路ストーマ)があり自身の腸を体の外に出して便や尿の経路を増設してストマケアする。
ストーマとは? ストーマケアについて
ストーマ(stoma)とは、『消化管や尿路を人為的に体外に誘導して造設した開放口のことをいい、前者を消化管ストーマ、後者を尿路ストーマ』といいます。広義には、腎瘻や膀胱瘻、胃瘻、その他の瘻孔も含まれ、以前は、『人工肛門』『人工膀胱』と呼ばれていました。ストーマを持っている人のことを『オストメイト』と呼びます。
引用:ナース専科
介護と医療は別なので、介護員(介護福祉士)・訪問介護員(訪問ヘルパー)は医療行為ができないことので、特養入居者と家族は医療行為が日常的に必要な場合は特養入居前に確認をすることが必要です。
特養の職員も「入居申し込みを書く前に電話で確認して頂くのが良いかと思います。」とおっしゃっていました。
家族の理解
特養に入れない理由3つ目は「家族の理解」というところなんですが、実は「施設にとっては一番重要なポイント」です。
例えば家族の方から
「(親を)絶対に転倒させないで欲しい!」
と言われるようなケースというのは非常に難しいです。
施設としましては最大限の事故防止に努めますけれども
100%の事故防止となると
もう本当にマンツーマンの対応でもしない限りは難しいです。
「毎日個別のリハビリをしてほしい」などの極端な要望も厳しいです。
その他
家族の方で定期的な受診や緊急時に駆けつけをしてくれない
物品を依頼しても持ってきてくれない
などというのは特養としても困るケースになります。
介護施設でできること、介護施設でできないことを家族に理解をしてもらうということがとても大切になってきます。
特別養護老人ホームに入れた親御さんを家族が心配する気持ち、特養で快適な日常生活が送れるよう要望を出す気持ちは理解できます。しかし、施設を困らせてしまうようなことを言って
しまう、過度な介護サービスを期待する家族だと要介護者の入居が難しくなってしまう場合があります。
特養に入れない人、入所判定の可否は要介護者本人のみならず家族も大きく関係します。施設関係者の意見では「むしろですね、家族の理解さえあれば施設としても多少受け入れが難しいケースの方でも頑張って受入れよう!という気持ちになりますね。」という。
介護施設で働いてる体験者の話は、とても参考になりました。親の介護をする介護サービス利用者側の考え方と、介護施設や訪問介護サービスなどで働く側の考え方の両方を理解したほうが上手に介護福祉サービスを利用できると思います。
まとめ
特別養護老人ホーム入居申込しても在宅介護を続けてる待機者が25万人いる
要介護1、要介護2は特養申込対象者にならない
原則、特養に入れる条件は要介護3以上
特例入所措置で順番待ちしないで特養に入れる人もいる
すぐ入れる老人ホームは特養に限らず有料老人ホームも探す
特養に入れない人の理由3つを家族も理解する
特別養護老人ホームの職員から聞けた「特養に入れない人3つの理由」はとても役立つ情報でした。やはり実体験のある専門職の方の意見はリアルに介護施設の事情がわかるので、親の介護を自宅から特養に入れたいと思ってる家族には有益な情報でした。


コメント